皆さんお元気に過ごされていますか。巷では悲しいニュースが流れていますね。お金を貢いだのに、~をしてくれなかったから刺してしまった、若い女性が推しやホストの男性のために過剰にお金を投入したことなどが次々と悲しい事件に発展しています。また男性から搾取する方法を書いた情報商材を販売した若い女の子が逮捕されていましたね。
昔から惚れた腫れたというのが人の感情を一番かき乱すものであるのは、世の常ではありますが、それにしても昨今の男女の人間関係の在り方は常軌を逸しているような気がしています。
この問題の所在は、義理人情や色恋云々ではなく、「好きでもないことを好きなフリをしてしまうこと」だと私は思っています。
私がSMクラブにいた時代、よくストーカー気質のお客さんにつくことがありました。SNSでブロックしても再度何食わぬ顔で予約を取ってきたり、顔写真等を一方的に送り付けた挙句、嘘をついて会いに来る人達です。クラブにいた時代が楽しくなかったわけではないのですが、こういう事態にしてしまった自分のブランディングの甘さについては今でも反省しています。
新人の頃は必死で業界に馴染もうとして、自分の色々なことを偽っていました。この前の日記でも少し触れましたが、ペニバンが気持ちいいとか、エッチなことが好きとか、そういう自分の能動的な情欲さを出すことができなかったし、人をペットにしたりすることがさも楽しいかのような売り込み方をしてしまいました。女王様になるために自分の好きでもないことを好きと公言してしまい、そういう私の姿を信じたお客さんと当時マッチングしてしまったことについては私に過失があります。
予約してくれて、目の前に現れるM男性は私の虚像を見ているなと常々感じていました。頭の中で想像した都合のいい女子大生女王様です。だからプレイ中も、そのほかの会話も「あれ、どこかかみ合わないな」という不自然さを感じていました。普段の会話からかみ合っていないからこそ、ストーカー気質のお客様が居たのも納得できます。
M性感に移ってからは、私がちゃんと調教してきた子は決まって「むぎさんのマゾってこれから(自分で)言ってもいいですか?」と私に許可を求めてきます。
どこに出しても恥ずかしくない子で尚且つ私が愛情を抱いている子にだけは、「いいよ」と許可を出しています。「むぎさんのマゾです」と一方的に言われて、「お前は私のマゾじゃないだろ、ビッチが」と普通に怒ることもあります。
そういう風にして、なるべく目の前の人に嘘をつかないことを大切にしています。
プレイ中の設定に沿って話すというよりかは、なるべく私に会いに来てくれる子の前では誠実でいてあげたいなと常々思っています。安易な思わせぶりな態度はしない代わりに、私が本当にプレイ中に楽しいと思ったり、ドキドキしたり新しく感じたことは素直に伝えるようにしています。
一度マゾから「むぎさんの前で男性に抱かれてみたいです」という相談を本気でされたことがあります。そうしてみたいと思った理由や、心境の過程を丁寧に伝えてくれました。自身のみっともなくて恥ずかしいマゾ性を痛いほど自覚しながら、勇気を出して私にさらけ出してくれました。
私なら信頼できるプロの方に頼んでプレイを手配してあげることもできるし、それを見学しながら罵るというプレイも叶えられたと思います。きっとそうすることがお客さんに対しては最善の対応だったはずです。
ですがその相談には「もしむぎさんが気乗りしなかったり、何か思うことがあればご意見を伺いたいです」と追記されていました。
なので私は「自分の抱いている男が、他の男に抱かれて気持ちよくなっているのを見るのは嫌だ。そこまで私は貴方のことを抱いて満足できていない。今はまだ普通にそれを見たら嫉妬してしまうと思う」と正直に答えました。マゾは「少しでもむぎさんのことを不快にしたり、辛い思いをさせてごめんなさい」みたいな返事をしてきました。
私はこういう会話をできることを心から幸せなことだなと日々感じています。クラブ時代の私では到底できなかったことです。目の前の人と、目線を合わせながら誠実で素直な自分で居られるって、プレイ抜きにしても大切なことです。
どうか私に会いに来ることがあれば、ありのままの気張らない貴方を見せてください。最初は緊張してしまうかもしれないけど、沢山会話を重ねて、貴方が安心して自分のことを話せるような関係性を築いていきたいです。もしそのままの貴方の姿を見て、ダメだなと思ったら叱るし、お仕置きをしますが、これもSMを通じてできる素敵なコミュニケーションだと思っています。
辛いことが多い世の中ではありますが、少なくともどうか私の前では貴方がありのままの自分を出すことができ、私の下が安心できる場所になりますように。