むぎ茶の資料室

いままで書いてきたものを残していきます。

春の日記

(この日記は2024年4月8日に書いたものです)

 

桜が満開になるのに合わせて次第に暖かくなりました。特に日曜日なんかは絶好の行楽日和で、皆さんお花見を楽しまれていましたね。

そんな世間の人の流れを横目に、私はこの休日にせっせと縄の処理をしました。本当は友達も一緒に行くはずでしたが、連日の花見の飲酒に呑まれ連絡が途絶えたので、一人ですることになりました。

私もSMを楽しむ身になって、片手で数えられるぐらいの年数は経っていますから、さすがに縄の処理が面倒なことは重々承知でした。なんかようわからんけど、煮て、焼いて、伸ばしてするんやろ、そんなことに何時間も費やすなんて縄が好きな人は物好きな人だなぐらいの認識でいました。

わかっては、分かってはいたはずなのですが、何度もため息が出てくるぐらいには想像していた通りに手間のかかる作業で骨が折れました。しかもまだ今日だけで作業を完結させることはできていません。あとはまだオイルを塗りこみ乾かす作業が残っています。

毎月縄の予習と復習をして新しい手順を習いに行き、自分の使う道具をこうして労力を割いて作るのは、立派な大人の趣味を持っているようなものだなと毛羽を焼きながらぼんやりと考えていました。

私は楽器を演奏するのが好きなのですが、それと一緒でやたらと右脳を使う作業が嫌いではないことだけが救いでした。一定の作業で何かに集中している時間は自然と心身共々穏やかになっていきます。それにしても疲れたので、しばらく縄は作りたくありません。


たまに日記に書いてきましたが、私は自分の手で相手を押さえつけたり、体重をかけたりすることが好きで、縄にはあまり触れてきませんでした。動画を見て頂いてもわかるように、皮の拘束具を使用していることがほとんどだと思います。

SMにハマりだした頃にはじめ好んで見ていたのも、もっぱら海外のBDSMポルノでした。革靴、拘束具、灰皿、ボンデージ、ハーネス、ペニバン、そういったものが私の中でテンションが上がるグッズだったので、麻縄で縛られる女性にエロティシズムを感じたことは特にありませんでした。

しかし日本でSMをしていると縄が好きな方がとても多く、触れる機会が沢山あります。昔少しだけ習ったこともあったし、いつかはやらなきゃというのが常に頭の片隅にありました。同じ職場に縄が上手で優しくて可愛い方と、練習に付き合ってくれるお友達が居なければ、この重い腰を上げることは無かったと思います。

何度か書いているように、今年の私の目標は苦手なプレイをなくすことです。特に縄と一本鞭はリスクが高い上に、習得するまでに手間がかかるのでずっと避け続けてきました。

私は自分の身体を使ってマゾを苦しめることと、ケインが好きだったので、今までプレイに困ることも無かったのですが、マゾたちとしたいプレイが次第に増え、またお仕置きBARの海外勢とのプレイを通じて、もっと上手くなりたいと思うようになりました。

お陰様で一本鞭も縄も本当に少しずつですが、身につけられています。また単に上手くなるだけではなくて、なんでしょうね、私の中の食わず嫌い感が年々減っていき、縄と鞭のことも好きになっていっている気がします。

これはきっと、私の練習のために自分から一本鞭を受けに来てくれるマゾのことをかわいいな思えたり、ちひろ先生や他の方の緊縛ショーを拝見する機会が増えて純粋に感動したからだと思います。

こういう嬉しい変化があると、お仕事でSMや性感に関われているのは、やっぱりいいなって思いますね。好きな事だけをするなら素人のままでも十分でしたが、こうしてお仕事として関われていると、自分の知らない世界やプレイを大好きになれたりするので素敵だなと感じます。


そういえばこの前、最下層マゾが珍しく真面目な顔になり、「どうかM男ですり減ったりしないでください。マゾはみんなわがままですから」と言っていました。この最下層マゾは私が入店してすぐの時にも「むぎさん、どうかプレイを楽しんでください。貴方が楽しんでさえいれば、みんなM男は自然とついていきます」と大切なことを教えてくれました。

人よりも歳と経験を重ねてきたマゾはこれだからいやです。私たちがS女として永く元気で居られるように、こんな計らいをするんですから。もっとこれからもいっぱい虐めてくださいって言っているようなものですからね。欲しがりな恥ずかしいマゾめ。

冗談はさておき、「私は自分好みに男の性癖と身体を変えていくのが好きだから、すり減ったりしないよ、大丈夫だよ」と咄嗟に伝えたのですが、彼なりに純粋に私たちのことを気遣ってくれているのが感じ取れて温かい気持ちになりました。

昔のブログに「周りの人を幸せにするには、まずは自分が幸せになること」と書きましたが、私も人間なのでたまにそのことを忘れてしまいます。私はもう人に優しくすることが性癖みたいになっていて、それが良い方向に作用することもあれば、そのせいで疲れてしまうこともあります。

そんな大切なことを忘れかけている時でも、「まずは私が幸せになることが一番大切」だということを、プレイを通して貴方たちは何度でも私に気づかせてくれます。

私に楽しく身体を弄んでもらわないと、ご褒美を与えてもらえないと困っちゃうもんね。そういったマゾたちの欲は巡り巡って、私の血流を良くしてくれています。いつもありがとう。


春になり、忙しくされている方や疲れている方、逆に心機一転され元気に過ごされている方など様々だと思います。私はどうしてもプレイ中の貴方の姿しか見られないのが残念ですが、どうか元気で居られることを常日頃願っています。

貴方が私を元気にしてくれるように、私とのプレイが貴方にとって心休まる時間になれたら幸いです♡