むぎ茶の資料室

いままで書いてきたものを残していきます。

違ふ変態たち

皆さん年末年始はいかがお過ごしになられましたか?

私も例に洩れず、先日S女性と女王様の集まる忘年会に参加しました。とても楽しく色んなお話をしたのですが、印象深かった話題がいくつか出たのでここに残したいと思います。


何がきっかけだったかは忘れましたが、ペニバンの話になり、「ペニバンで男性のアナルをぶっ壊したい派」と、最終的に「ペニバンを使って女性側が気持ちよくなりたい派」に大きく分かれました。

忘年会に参加したS女性たちの中には、世界一大きなディルドで男性のアナルを犯して大変満足していらっしゃる女王様がいる一方で、「ペニバンで女性がイくのなんてファンタジーだけど、いつかしてみたい。夢なんです」と目をキラキラさせて仰っている方がいました。

みんな同じペギングというプレイをしているのに、目指している先が全く違うのがとても面白いですよね。こんなにペニバンについて女性が楽しそうに自分のこだわりを話している様子を見ていると、温かい気持ちになりました。もちろんむぎは、ペニバンで自分が気持ちよくなりたい派です。

前者の女王様たちから「ペニバンで私たちが気持ち良くなるなんて、『なぜマゾなんかに私が気持ちよくさせられなきゃいけないの?』って思うのよ」という意見が出ました。

私はそれに対し、「むしろ女性が何も感じないのに腰を振っているのって、私にとってはそれこそ“男性に奉仕させられてる”って気分になってしまいます。それよりも『私がイくまでお前のアナルを使うからね』としたほうが、より女性上位を感じられます」と説明しました。

そうするとアナルをぶっ壊したい派の女王様から「それは素晴らしい考えだわ」と仰って頂けたので、否定されるのではなく、お互いに理解が進んだような気がしてなんだか嬉しくなりました。

私もアナルを壊すようなレ.イプぎみでされるペギングのことを一切否定しているわけではありません。ラグジュアリーな女王様が、苦痛な表情を浮かべている男性のアナルを大きなディルドで掘っている海外ポルノもよく見ます。

ただ「自分がするならこうしたい」というこだわりがあるだけで、私がしないようなプレイにも良さが必ず隠れているはずだという目線でいつも見るようにしています。これからも色んな方のそんな変態なこだわりを聞いていきたいですね。


この忘年会で印象的だった話題が実はもう一つあります。それはM性感とSMクラブの違いについてです。

私はSMクラブに4年間Sとして勤めており、途中からはM性感と並行して続けていましたが、それを昨年の夏から完全にM性感に一本化しました。それは私のしたいプレイはM性感でしか実現できないと思ったからです。

元々私は男性を支配したり、管理するだけではなく甘やかしたり、優しくしてあげることも同じぐらいに好きでした。そしてその主軸にあるのは、“自分の性欲”だったので、M性感でいるほうが、自分のしたいプレイをすることができました。

M性感のお姉様は「女の子とエロいことがしたい」という男性なら誰しもが持っているような色欲を懐柔し、Mの自覚がない男性のこともあっという間にマゾに、もしくはフェチの沼に突き落とします。

「正直今までアナルはあんまり」という方がペニバンで抱かれることが大好きになっていったり、最初は普通の性的なマッサージをしていたのに、重度のフェチを見つけて一緒に楽しむようになっていった人たちが私のお客様にも沢山いらっしゃいます。

SMクラブには元々自分がマゾであることや、重度のフェチの自覚のある方が来店されることがほとんどで、その中心に存在しているのは加虐や被虐であり、そういうディープなものに最初から特化したプレイを提供してもらえます。(逆に言えば、まったくのノーマルな男性をマゾにさせる機会などはほとんどありません)。

昨年私がクラブを卒業した時に、M男さんに「SMクラブとM性感の違いは何ですか」と同様の質問をされ、咄嗟に「濃度の違いだよ」と答えたことがあります。

珈琲のような嗜好品と一緒で、濃いものが好きならそれを選べばいいし、甘めのカフェオレやラテが好きな方はそれを選べばいいだけの話です。最初から濃いものを選ぶか、甘めのものを選ぶかという入口が違うだけで、結局みんな求めているのは珈琲特有のコクのある苦みだと思いませんか。

SMクラブとM性感もそれと一緒です。ハードなプレイから入るか、ソフトなプレイから入るのかというスタートの違いがあるだけで、結局「いじめられたい」「いじめたい」というマゾ性とサド性の苦みを人々が求めていることには変わりありません。


私はよく「M性感好き?」とマゾ歴の長い男性に聞きます。「好きです」と返されると、にやにやしながら「私も好きだよ。いいよね、M性感」と答えています。

M性感にはそこにしかない変態性や奥深さが沢山存在します。

ここには到底書ききれないし、全部言語化することは難しいけれど、M性感は私たち変態が、女性らしさや男性らしさ、もしくは親であることや、何かのプロであることから解放され、本当の自分で居られる貴重な場所です。

時には数十年SMクラブでマゾをしていた方が、初めてM性感に来て「僕の求めていたプレイはこれだったのか」と目覚めることも珍しくありません。

そんな私の知っているM性感の魅力を少しずつでも、楽しみながら皆さんに布教していきたいですね♡