むぎ茶の資料室

いままで書いてきたものを残していきます。

プレイビッチ

私がSMや変態プレイを実際にする側に回ったのは19歳の時で、その頃にはじめてSMバーにも行きました。

幸いなことに今でもその時お世話になった方々がまだいらっしゃって、去年思わぬ形で再会することができました。

初めてくぐった門というのはいつまでも覚えているもので当時とお名前は違っていても、声色やお顔ですぐに思い出すことができました。

当時の私は圧倒されるばかりで何も聞けなかったのですが、再会できた際に「~女王様はどんなプレイをしていらっしゃるんですか?」と尋ねると

「私は相手が自分という存在を求めてくれるのがいいかな。SMの関係性が好きなの。相手じゃなきゃダメみたいなものに、成り立つ世界というか。逆に~してくださいって言われると、『それって誰でもいいんでしょう?』って萎えちゃう」と仰られました。(一部内容は変えてあります)

そのプレイのあり方が私と全く違っていたので、気づかされたような感覚がして、「(そうだよな、そういう人もいるよな...それに比べて私はプレイビッチみたいだな)」と比較してしまいました。



元々この仕事をする前までは、掲示板というか、作品投稿するようなサイトや交流会で目当ての性癖の男の子を見つけて遊んでいました。目当ての性癖というのは語弊があるかもしれません。私には「このプレイがしたい」というのが常に無限にあったので、それをなるべく受け入れられそうな男性を探していました。

最初は難色を示していても、興味があるのに怖いとか、プライドがあって否定しているだけだなというのはすぐ見て取れたので、その子の今までの性癖のキャパシティはあまり重視していませんでした。

どこまで頭のリミッターを外せるそうかというのを基準に選んでいたと思います。そうして年単位で自分好みの男性にしていきました。(私に変な性癖を植え付けられて、可哀想に...)


M性感をはじめてからはそれが全部満たされているので、プライベートで特にそういったことはしていませんが、これまでのそういう性格はお店でのプレイに反映されています。

現に多くの方が「むぎちゃんはこういうプレイが好きだから...」と口にしながら来てくださいます。あとよく突拍子もないようなプレイもお願いされることも多くて、このお仕事が大好きです。

少し前の日記にも書いたのですが、私は物心ついたときから「こういう妄想を現実にしたらどんなに楽しいんだろう」と思い続けてきたので、M男さんのご期待に添えているかどうかは一旦置いておいて、楽しめるかどうかの気持ちだけで測れば天職だと思います。


さて話を戻すと、こういう背景があるため私はこの女王様に比べたら「ビッチだな」という感覚に陥りました。というか、そもそもSMって「信頼関係」とか「相手だから許せる」とかそういう世界の話だったなと当たり前のことを思い出しました。

私はそういうことを一切重視せずに、ただプレイの中で相手を見ていたような気がします。

なんか急に心配になってきて、「私ってプレイビッチっぽいですね、あはは...」と自信なさげに話すと「そういうむぎさんには、プレイを重視される方が同じように集まられているはずです。そういう方にとってはむぎさんが必要なんです」と優しく諭されました。



ここ数か月でそれが目に見えて変化してきて、相手との関係性の上でのプレイをとても楽しく思えるようになりました。あのプレイビッチだった私がです。

多分なんですけど、きっかけはこうやって好き放題日記に書けるようになってきたからですかね。皆さんもたくさん私に自己表現してくださるようになりました。自己開示があると、貴方も私も安心できますよね。

最近は、普通の会話をしているのに、その延長線上に変態なプレイやSMをする貴方と私がいる感覚がして楽しいです。

"こういうプレイだから"興奮しているだけではなく、こんな人生を送ってきて、普段はこういう姿の貴方が途端に情けなくなっているのだと思うと非常に興奮します。本当の姿をむき出しにできたような気がして、より一層満たされます。

プレイだけを重視している場合、「これをすればもう満足!」って瞬間があり、やりたいことが全部できたら気が済みます。

なので人生の目標と一緒で、全部達成してしまったら、露頭に迷うこともあります。私は数年足らずでやりたいプレイを全部一通りやってしまって、この先どうしたらいいんだろうって一時期悩みました。

ですが相手との関係の上にあるプレイは、どこまでも深い気がします。今までの私が横に幅を広げてきたなら、いまは縦に深く掘り下げていっている感覚です。

まだまだこんなに楽しいことがあるなんて知りませんでした。やめてしまわなくてよかったなと思います。

(まあ元々が変態なので、プレイを諦めようと思って、すんなり諦められたものでもなかったのですが)。



先週、その女王様にこのお話をしてきました。「前回はあんなことを言ったのですが、最近すごくプレイが楽しくて、聞いてもらっていいですか」と話すと、周りの人たちが沢山集まってきてとっても恥ずかしかったです。

これからものんびり楽しんでいきたいです。
まだ変態はやめられそうにないです。